「同期はできてるのに、自分だけついていけない」 「毎日いっぱいいっぱいで、向いてないんじゃないかと思う」 「つらい。でも1年目で辞めるなんて、甘えなのかな」
新卒1年目、期待もワクワクもあったけど実際働いてみるときついことが多いですよね。
私は薬剤師歴14年・病院薬剤師歴13年・転職を3回してきました。今でこそ当直なし・土日休みの病院で穏やかに働けていますが、新卒1年目は、心も体も潰れる寸前でした。
この記事では、私自身が1年目でどれだけしんどかったか、どう乗り越えたか、そして教育担当として後輩を見てきた立場から「今つらいあなた」に伝えたいことを、正直に書きます。
結論:1年目がつらいのは、あなたのせいだけじゃない
最初に、いちばん大事なことを言います。
- 最初の3年がしんどいのは、ほぼ全員。あなただけじゃない
- 知識不足や体力不足は、時間と努力で必ず埋まっていく
- でも——「努力ではどうにもならない職場」も、確かに存在する
- だから「つらい=自分が悪い」と決めつけないで。原因が自分なのか環境なのか、切り分けることが大事
「3年は続けなきゃ」と歯を食いしばる前に、一度立ち止まってこの記事を読んでもらえたらうれしいです。
私も新卒3ヶ月で、部長に呼び出された
期待されて入職したはずでした。でも現実は甘くなかった。
入職してわずか3ヶ月目、「同期と比べて覚えが悪い」と部長に呼び出されたんです。
国家試験の受験勉強と卒業研究で体力はすっかり落ちていて、いきなりフルタイムで働き始める生活に体がついていけませんでした。一生懸命やっているつもりでも、疲れて動きが鈍ると、まわりからは「サボっているように」見えてしまうこともありました。
あの呼び出しは、本当にこたえました。「自分はダメなんだ」と、毎日のように思っていました。
体力がついていけない・休めない・体育会系の地獄
私が入った最初の病院は、完全な体育会系のノリでした。
- 体調がどんなに悪くても、休むことは許されない雰囲気
- 先輩たちは「吐きながら点滴して仕事した」「熱があっても出勤した」という**"体調不良の武勇伝"を語る**
- 本当に体調が悪くて月曜に休んだときは、まるで犯罪者のような扱いを受けた
陰でこそこそ言われているのが分かって、そのストレスで、しばらく大きな声が出なくなりました。今思えば、心も体も限界のサインを出していたんだと思います。
当時の私は、これが「普通」だと思っていました。
でもこれは普通ではなかった
こうした職場の見分け方は、別の記事(ブラック病院から脱出した話)に詳しくまとめています。
新卒半年で一人当直|何もわからないのに問い合わせの嵐
さらにきつかったのが、新卒半年で、いきなり一人で夜間当直を任されたことです。
まだ何もわかっていないのに、
- 医師や看護師から、次々と専門的な問い合わせが来る
- 夜間外来の処方も、入院患者さんの持参薬も、どんどん溜まる
- その場で本やPCで調べながら、なんとか対応する
知識が追いつかず、即答できない自分が情けなくて、心底疲弊しました。「自分がいない方がいいんじゃないか」とまで思った夜もあります。
当直の不安やリアルは、当直・オンコールの体験談にも書いていますが、新人にとって一人当直のプレッシャーは本当に大きいです。これに押し潰されそうになるのは、弱さではありません。
どう乗り越えたか|ただ必死にもがいた
正直に言うと、特別な攻略法はありませんでした。ただ必死にもがいた、それだけです。
心も体も疲れきっていましたが、それでも少しずつその環境に慣れていきました。そして気づいたんです。つらさの一因は、間違いなく「自分の知識不足」にもある、と。
だから、わからないことを一つずつ勉強して埋めていきました。
- 当直で答えられなかったことは、徹夜しても調べ直す
- よく聞かれる質問は、自分なりにまとめておく
- 先輩に聞いたことは、二度と同じことを聞かなくて済むようメモする
知識がついてくると、不安が少しずつ減ります。**不安の正体の多くは「わからないこと」**なので、それを潰していくと、自然と視界が開けてきました。
3年目、やっと自分のポジションができた
転機は、だいたい3年目でした。
- 体力的にも仕事に慣れ、当直も落ち着いて対応できるようになった
- 知識がついて、医師や看護師の問い合わせにも答えられるようになった
- 薬剤部の中でも、他部署の人とも、少しずつ信頼関係を築けてきた
特に大きかったのが、現場での人間関係の作り方を覚えたことです。
現場で信頼を得るコツ(新人時代の私に教えたい)
- 看護師さんの困りごとから入る:「この点滴の配合、大丈夫?」みたいな質問にちゃんと答えていると、信頼が少しずつ貯まる。正論を振りかざす前に、まず相手の役に立つ
- わからないことは正直に「調べて折り返します」:知ったかぶりが一番信頼を失う
- 小さな「ありがとう」を欠かさない:助けてもらったら必ずお礼。当たり前だけど効く
この積み重ねで、ようやく「自分の居場所」と思える場所ができました。**最初の数年で人は変われます。**今できないことは、できなくて当たり前なんです。
教育担当として気づいた「伸びる新人」の共通点
その後、私は薬剤部内で**教育担当(勉強会の企画・講師・資料作成)**も任されるようになり、たくさんの新人を見てきました。
そこで気づいた、伸びる新人の共通点はたった一つです。
素直な子は、伸びる。
- 素直に「教えてください」と学ぶ子には、教える側もどんどん教えたくなるし、自然と可愛がられる
- 逆に、否定から入ったり、素直に受け取らない子は、教える側も次第に教える気がなくなってしまう
これは能力の話ではありません。姿勢の話です。
正直、新人時代の私自身、最初はうまく素直になれていませんでした。だからこそ、後輩を見ていて「あの頃の自分、もったいなかったな」と反省したものです。
もし今、まわりとの関係がうまくいっていないと感じるなら、「教えてもらう姿勢」だけ意識してみてください。それだけで、現場の空気は変わります。
「3年は続けろ」を鵜呑みにしないで
ここまで「努力で乗り越えられる」という話をしてきました。でも、最後にどうしても伝えたいことがあります。
努力だけではどうにもならない職場も、確かに存在します。
私が新卒で入った病院もそうでしたし、その後に転職した調剤薬局も、実はハラスメントのひどい職場でした。当時の私は「最低3年は同じ職場で続けないといけない」と思い込んでいました。でも今は、こう思います。
- 心身を壊してまで続ける3年に、意味はない
- 「自分の努力不足」と「職場の問題」は、分けて考えていい
- ひどい職場は、自分がどれだけ頑張っても変わらないことがある
一度、立ち止まって確認してほしい
すぐに転職しなくてもいいんです。でも、「世の中にはどんな職場があるのか」を、学生の頃には気づけなかった視点でもう一度見てみることを、私はおすすめします。
- 当直なし・残業少なめの病院もある
- 新人をちゃんと育てる文化のある職場もある
- 同じ「病院薬剤師」でも、働き方は施設ごとにまったく違う
実際に転職しなくても、「今いる環境は、自分にとって適切なのか」を確かめるだけで、視界がぐっと広がります。選択肢を知っているのと知らないのとでは、心の余裕が全然違います。
自分の市場価値や年収の相場を知るところから始めると、「今の職場が普通なのかどうか」の判断材料になります。1分で確認できるので、気持ちの整理にも使ってみてください。
今、1年目でつらいあなたへ
最後に、もう一度伝えさせてください。
- 1年目がつらいのは、ほぼ全員が通る道。あなただけじゃない
- 知識不足・体力不足は、時間と努力で必ず埋まる。今できなくて当たり前
- まわりとの関係は、**「素直に学ぶ姿勢」**で少しずつ良くなる
- でも、心身を壊すような職場なら、逃げていい。それは甘えじゃない
- すぐ動かなくても、「どんな職場があるか」を知っておくだけで、心が軽くなる
新卒で潰れかけた私でも、3回の転職を経て、今は穏やかに働けています。つらい今が、ずっと続くわけではありません。
あなたが、自分を責めすぎずに、自分に合う場所にたどり着けますように。
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筆者: 薬剤師める|転職経験3回・病院↔調剤経験あり・コーギーと猫4匹と暮らす現役薬剤師