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薬剤師の職場がブラックすぎる…39度で当直・有給0%だった私が逃げ出した話|見抜く6サイン
新卒3年間「これが普通」と信じていた私が見抜き方を公開

監修:薬剤師める(転職経験3回・病院↔調剤経験あり)|2026年6月リライト|6分で読めます

この記事でわかること

  • 結論:ブラック病院は「入る前」に見抜ける
  • ブラック病院にいると気づけない理由
  • 私が経験した「普通」の実態
  • ブラック病院を見抜く6つのサイン(チェックリスト)
  • 転職を決意するまでの経緯
  • まず自分の職場と市場価値を見比べてみよう

新卒で入った病院が、ブラックでした。

しかし当時の私には、まったくわかりませんでした。有給消化率はほぼ0%、39度の熱でも当直、残業代なし。これを3年間「薬剤師の仕事とはこういうものだ」と思いながら働いていました。

転職して別の職場に入って初めて、「あれはおかしかったのだ」と気づきました。

この記事では、ブラック病院を入る前に見抜く6つのサインを、実体験をもとにチェックリスト形式で解説します。なぜ自分では気づけなかったのか、そしてどんな職場が「実は普通じゃない」のかも、リアルな数字とエピソードで公開します。


結論:ブラック病院は「入る前」に見抜ける

最初にお伝えしたい結論はシンプルです。

ブラック病院かどうかは、入る前にほぼ見抜けます。

ただし、自分で見抜くには「比較できる職場が他にない」状態だと難しいです。これが新卒で1社目に入った人がブラック病院から抜け出せない最大の理由です。

これから書く6つのサインは、応募・見学・面接の段階でチェックできるものばかりです。求人票や面接官の言葉、見学先のスタッフの表情から拾えるサインを、私の実体験と照らし合わせて解説します。


ブラック病院にいると気づけない理由

最大の理由は、比較できる職場が他にないことです。

新卒で入った最初の職場というのは、そこの常識がそのまま「職場の常識」になってしまいます。先輩たちは全員その環境で育っており、不満を口にする文化もありませんでした。

「点滴しながら調剤してた」「吐きながら通勤してた」——これが武勇伝として語られる環境では、同じ価値観に少しずつ染まっていきます。

私が「やはりおかしかった」と気づいたのは、転職して別の病院に入ってからです。月曜日に体調が悪くて休んだところ、翌日誰も何も言いませんでした。有給を申請すると当然のように通りました。

「これが普通の職場なのだ」と、そのとき初めて理解しました。


私が経験した「普通」の実態

当時を振り返ると、ひとつひとつが異常でした。

有給消化率はほぼ0%でした。 制度としては存在していましたが、使った記憶がほとんどありません。「使える空気」がなかったというのが正確な表現です。

39度の高熱があっても当直に入りました。 「代わりがいない」という理由で断れませんでした。体調不良を申し出ること自体への心理的ハードルが、職場全体に異様に高い状態でした。

残業代は存在しませんでした。 サービス残業が前提の職場で、定時に帰ることは「みんなに迷惑をかけること」と同義に扱われていました。

シフトが事前の相談なく変更されました。 「今度の土曜日、当直変わったからよろしく」と、前日や数日前に告げられることが珍しくありませんでした。

月曜日に休むと、翌日の空気が重くなりました。 直接言葉で責められるわけではありません。ただ、影でヒソヒソと陰口が聞こえてきたり、休んだ翌日の空気感に強い疎外感がありました。正面から言われた方がまだ楽なくらい、陰湿な形で圧がかかっていました。

これをすべて経験しながら、「薬剤師の仕事とはこういうものだ」と思っていました。


ブラック病院を見抜く6つのサイン(チェックリスト)

転職を3回経験して、ブラック職場には共通のサインがあることがわかりました。応募・見学・面接で1つでも当てはまったら要注意だと思ってください。

① 有給消化率を聞いたときに具体的な数字が出ない 「有給消化率はどれくらいですか?」と聞いて「取れそうなら取っていいよ」と返ってきたら要注意です。数字が出ないのは、実態を管理できていない、あるいは管理したくないサインです。私のいた病院がまさにそれでした。「取れそうなら取っていいよ」と言われましたが、先輩が誰一人として有給を取っていません。どうしても使いたい用事があって相談したときは、「先輩の誰も取ってないのに?」と返されました。言葉上はOKでも、取れる雰囲気が一切ない職場だったということです。数字で答えられて、かつその数字が50%以上ある職場を選びましょう。

② 残業時間を具体的な数字で答えられない 「月平均10時間以内です」のように具体的に答えてもらえる職場を選びましょう。「多少はありますが…」「みんなで協力していますので…」といった抽象的な返答には注意が必要です。

③ 在職中のスタッフが疲れた顔をしている 見学に行った際、働いているスタッフの表情を観察してみてください。笑顔や余裕があるかどうかは、数字や説明では伝わらない重要な情報です。

④ 先輩の武勇伝が美化されている 「昔は〇〇しながら働いていた」という話が誇りとして語られている場合、同じ価値観がまだ残っている可能性があります。「大変だったけれど今は改善されています」という文脈なら問題ありません。

⑤ 転職エージェントの紹介を鵜呑みにしない ここは勘違いされやすいポイントです。転職エージェントは商売として成り立っているため、ブラックな職場でも紹介してくることがあります。「エージェント経由だから安心」という思い込みは危険です。エージェントから紹介された求人も、見学・有給消化率の具体数・離職率などを自分で確認することが必要です。エージェントに「離職率を教えてください」「有給消化率はどのくらいですか」と具体的な数字を聞き、答えを濁す場合は慎重に判断しましょう。

⑥ 同じ職場の求人が繰り返し掲載されている 「急募」「欠員補充のため」という表現が同じ職場から何度も出ているなら、人が定着していない可能性があります。


転職を決意するまでの経緯

数年が経ち、体育会系の先輩たちが去ると職場の雰囲気は少しずつ変わっていきました。私自身も病棟担当責任者として後輩のフォローや、薬剤部と看護部の橋渡し役を担うようになっていました。

それでも「もっと臨床スキルを磨きたい」という気持ちが強くなり、転職を決意しました。

退職を申し出ると、薬事部長に強い言葉で引き止められ、理事長室に呼ばれました。「お前がやめたら困る」という趣旨のことを、圧力をかけながら言われました。今思えば、それ自体が異常な対応です。しかし当時の私は「そういうものか」と半ば受け入れていました。

意志を押し通して退職しました。

退職後しばらくして、残っていた同僚から話を聞きました。育児中の女性薬剤師が専門認定のための外部研修参加を申し出たところ、「当直もできない女の薬剤師が何を言っているんだ」と言われたそうです。在籍中もその空気は確かに存在していました。表に出なかっただけで。


まず自分の職場と市場価値を見比べてみよう

ここまで読んで、「もしかして今の職場、ブラックかもしれない」と感じた方もいるかもしれません。

大切なのは、すぐに辞める決断をすることではなく、比較材料を手に入れることです。

私自身、新卒の職場を「普通」だと思い込んでいた最大の理由は、比べる対象がなかったことでした。逆に言えば、比較材料さえあれば気づけます。

比較材料を手に入れる方法は、大きく2つあります。

① 自分の市場価値を知る 年収が相場とどれくらい差があるか、1分で確認できます。相場より明らかに低いなら、それ自体が1つの判断材料です。

② 転職エージェントに他の職場の実態を聞いてみる 他の職場の有給消化率・残業時間・離職率などを、エージェントから間接的に聞くこともできます。今の職場の数字と比較すれば、自分の環境が「普通」なのか「異常」なのかが見えてきます。

もし今の職場がブラックだとわかったなら、我慢し続ける必要はありません。逃げる選択肢は常にあります。まずは情報を集めるところから始めてみてください。

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筆者: 薬剤師める|転職3回(病院→病院→調剤→病院)・薬剤師歴14年・コーギーと猫4匹と暮らす現役薬剤師

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