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薬剤師の転職で年収だけを優先すると何が起きるか|3回転職した私の失敗から
「年収さえよければ我慢できる」という甘い見通しの代償

監修:薬剤師める(転職経験3回・病院↔調剤経験あり)|2026年4月更新|6分で読めます

この記事でわかること

  • 年収だけを優先して半年で後悔した話
  • なぜ「年収だけ」を基準にしたのか
  • 入社後に気づいた3つの現実
  • 確認しておけばよかった後悔リスト
  • 3回目で整理した「本当の優先順位」
  • 優先順位を整理してからエージェントへ

この記事を読んでほしい方

  • 転職理由が「とにかく年収を上げたい」になっている方
  • 転職エージェントに「年収優先で探して」と伝えようとしている方
  • 転職後に「なんか違う…」と感じている方

はじめに:年収だけを優先した転職で、私は半年で後悔した

「年収が高い職場=自分を評価してくれている職場」と信じていました。

病院で臨床薬剤師として10年近く働き、スキルも積んできた自信がありました。でも年収は世間の平均を下回ったまま。強いストレスと責任感の中で日々の業務をこなしながら、「このまま生活を犠牲にし続けるのはおかしい」と思い始めたのです。

そして私は「年収だけを最優先に」調剤薬局へ転職しました。

結果は、半年もたたないうちに「失敗だった」と気づくことになります。

この記事では、病院→病院→調剤薬局→病院という3回の転職を経験した私が、年収優先の転職で何を見落とし、どう後悔し、そして3回目でどう立て直したかを正直に書きます。

先に結論をお伝えします。

  • 年収優先の転職が「悪い」わけではありません
  • ただし「年収さえよければ我慢できる」は甘い考えです
  • 転職前に自分の「本当の優先順位」を言語化することが、後悔しない唯一の方法です

1. なぜ私は「年収だけ」を基準にしたのか

結論:スキルを積んでも年収が上がらない現実に限界を感じた

1つ目の病院はいわゆる超ブラック職場でした。有給消化率0%、39度の高熱でも当直、残業代なしのサービス残業。「これが普通だ」と思い込まされていたほど、洗脳された環境でした。

それでも私は必死に働きました。

  • 1年目から病棟担当薬剤師として病棟・救急外来で活動
  • 病棟担当責任者として後輩のフォローや薬剤部と看護部の橋渡し
  • 看護師との連携を深め、患者さんの治療に積極的に関わる
  • 夜間当直中も当直医・看護師と密にコミュニケーション

自分なりに貢献できていると思っていました。スキルも確実に身についていました。

2つ目の病院に移ってからも、心血管センター担当として医師の回診やカンファレンスに参加しながら研鑽を続けました。臨床薬剤師としてかなりのスキルが身についた、という実感がありました。

でも年収は、世間の平均を下回ったままでした。

そこで私は考え方を変えました。

「十分スキルは学んだ。これからは生活を優先しよう。 年収が高いところは、自分を評価してくれているということだ。」

この「年収が高い=評価してくれている」という思い込みが、後の失敗の種でした。


2. 年収優先で選んだ調剤薬局、入社後に気づいた3つの現実

結論:見落としたのは「年収以外のすべて」だった

2回目の転職はコロナ禍と重なり、遠方への転職だったため、面接はすべてオンラインで完結しました。現地に足を運ぶことなく、内定を受け入れました。

条件の優先順位はシンプルでした。

  1. 年収(第一希望)
  2. 休日とのバランス

転職エージェントも使わずに自分で動いた転職でもあったため、交渉力も情報量も不足していました。

入社後に直面した現実は、以下の3つです。

① 調剤業務だけの単調さに、想像以上のストレスを感じた

病院では病棟で患者さんを直接見て、医師や看護師と協力して治療に関わっていました。その臨床業務のやりがいが、自分にとってどれほど大切だったか——調剤薬局で初めて気づきました。

調剤だけの繰り返し。疑義紹介もほぼできない環境。

「やりがいの搾取は嫌だ」とブラック病院時代に感じていた私が、今度は「やりがいがなさすぎる」ことで追い詰められていきました。

② 管理薬剤師によるハラスメントが日常だった

薬局の見学に行かなかったことの最大の代償がここでした。

管理薬剤師の人柄を、面接だけでは見抜けませんでした。実際に職場に入ってみると、パワーハラスメントをはじめとする各種ハラスメントが横行していました。

「せめて職場環境さえよければ」と何度思ったことか。

でも現実として、職場環境もスタッフの雰囲気も、見学に行かなければ事前には分かりません。

③ 職場の雰囲気や他施設との連携が見えていなかった

門前クリニックの医師との関係が良くなく、疑義照会が実質不可能な場面もありました。「薬剤師としてすべきことができない」というもどかしさは、想像以上に消耗します。


3. 「これを確認しておけばよかった」後悔リスト

結論:見学に行くだけで防げた後悔が、ほとんどだった

今だから言える、転職前に確認すべきだったことのリストです。

【必ず確認すべきこと】

  • 実際に職場見学に行くこと

    • スタッフ同士の会話・雰囲気
    • 管理薬剤師・先輩薬剤師の人柄
    • 職場の清潔感・整理整頓状況(働く環境の本音が出る)
  • 他施設との連携状況

    • 門前クリニックの医師との関係性
    • 疑義照会がしやすい環境かどうか
    • 在宅業務や施設との連携内容
  • 時間外業務の実態

    • 残業の頻度・種類
    • 閉局後の事務作業の量
    • 勉強会・研修への強制参加の有無

💬 見学は「遠慮すること」ではありません。 「見学させていただけますか?」と聞いて断る職場は、むしろ要注意です。


4. 3回目の転職:「本当の優先順位」を書き出した

結論:何を絶対に諦められないか、を先に決める

調剤薬局を離れ、3回目の転職に動いたとき、私がまず取り組んだのは「自分の優先順位を正直に書き出すこと」でした。

【絶対条件(これがなければ続かない)】

  • スタッフの人柄・職場の雰囲気
  • ハラスメントがない環境
  • 長く続けられると感じられるかどうか

【できれば叶えたい条件】

  • 病棟業務などのやりがいある仕事
  • 年収アップ

【妥協できること】

  • 年収が少し下がっても許容できる
  • 職場が少し遠くてもいい
  • 多少の残業はある程度受け入れる

💬 「年収は高いほどいい、休みは多いほどいい」 それは当然のことです。でも、すべてが完璧な職場はほぼ存在しません。 大切なのは、「何かを諦めなければならないとき、何は諦められないか」を先に決めておくことです。

この作業をしてはじめて、私は気づきました。

2回目の転職のとき、私は「年収高ければある程度は我慢できるだろう」という甘い見通しで動いていました。でも実際には、心が病んでいくと、長く続けられません。結果として収入面でもマイナスになります。

年収優先の転職が合う人もいます。年収が最も重要な軸という方も、もちろんいます。でも私はそうではありませんでした。それを知るために、2回目の転職の失敗があったと今は思っています。


5. 転職エージェントを使い、理想の職場にたどりついた

結論:優先順位を整理した後に、エージェントと組むのが最強だった

3回目の転職では、初めて転職エージェントを活用しました。

💬 1回目の転職ではエージェントを使いませんでした。 結果、年収は下がり、心身ともに疲弊しました。情報量と交渉力が全然違います。

自分の優先順位を整理した状態でエージェントに伝えると、紹介される求人の質がまったく変わります。「年収さえよければOK」と伝えていた頃とは別物です。

エージェントが紹介してくれた今の職場は、正直、信じられないほど条件が揃っていました。

  • 将来的な病棟専任を見据えた段階的な病棟活動(2年で実現)
  • 年収は過去最高
  • 年間休日120日以上・有休消化率100%
  • 自宅から車で10分
  • スタッフ全員が互いを思いやる職場文化(ハラスメントとは無縁)
  • 犬猫が大切な私の生き方を尊重してくれる(急な休みも快く受け入れてもらえる)
  • 医師・看護師・他スタッフと毎日楽しく仕事ができている
  • 残業はほぼゼロ
  • やってみたいことは何でも挑戦させてもらえる環境

全部が全部、最初から揃っていたわけではありません。でも「絶対条件」がクリアされていたから、安心して長く続けることができ、その中でやりがいも年収も後からついてきました。


まとめ:年収だけで転職を決める前に、やっておくべきこと

この記事で伝えたかったことを整理します。

【後悔しない転職のために】

  1. 年収は大切な条件の一つ。でも「唯一の条件」にしない
  2. 自分の「消えない不満」が何かを先に把握する
    • やりがいがなくても平気か?
    • 職場の雰囲気が悪くても年収で補えるか?
    • これを正直に自問する
  3. 必ず職場見学に行く(オンラインで完結させない)
  4. 転職エージェントを使い、優先順位を正直に伝える
  5. 心が病むと、結局すべてがマイナスになる

💬 年収優先の転職が悪いとは言いません。 ただ、「年収さえ高ければ我慢できる」という前提が正しいかどうか、 自分の生活に当てはめて、もう一度だけ考えてみてください。

転職エージェントは、優先順位を整理した後に使うとより効果的です。まずは自分の「本当に大切なもの」を言語化してから、プロの力を借りることをおすすめします。

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筆者: 薬剤師める|転職3回(病院→病院→調剤→病院)・薬剤師歴14年・コーギーと猫4匹と暮らす現役薬剤師

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